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朝ぼらけタイガー

読んだ本のレビューが中心です。ランニングなどその他趣味の話も。NPOや自治体など「公益組織」向けのコンサルティングが本業です。元はwebディレクター。

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2014年読んで面白かった本15冊

せっかく本の感想をブログに書き始めたので、まとめ記事も書いてみようと思います。
年末になるとよくまとめやランキングの記事を見て、知らなかった面白そうな本を見つけるの楽しいので、僕の記事でもどこかの誰かが新たな本を読むきっかけになったら嬉しいですね。

本のジャンルはバラバラです。
基本バラバラなんですが、自分の中では一冊読む中で考えたことをもとに関連するテーマに飛んでいるつもりのことも多いです。
なので紹介する本は読んだ順に並んでます。
あと、自分なりに勉強しようかなーと思っていたテーマはあったりするので、それは本の紹介の後に書こうと思います。
何をしてて何を考えてる人が選んだ本なのか、という部分にまで興味を持つ方はぜひ御覧ください。
 

紹介する本は15冊。

最初は10冊にしようと思ってたのですが、選びきれませんでした。

15冊の本は前半10冊と後半5冊にざっくり分けました。
小説・エッセイとそれ以外。前半がそれ以外の方です。

小説・エッセイ以外の10冊。

まずは小説やエッセイ以外の本たち。いろいろ入ってるのでなんて呼んだら良いのか分かりませんでした。

 

内向型人間の時代

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

 

 

現在の社会はあまりに外向型中心に作られすぎている。外向型、内向型それぞれに強みがあるのだから内向型の人は無理に外向型に自分を矯正しようとすることなく適材適所でやっていけるようにすべし!という本。
「もっと明るくハキハキしましょう」という圧力に苦しさを感じてきた人はぜひ読んでみてください。あぁ引け目を感じる必要はないのか、と安心できます。

著者のスーザン・ケインが同じテーマをTEDトークでも披露しています。TEDで一番好き。

スーザン・ケイン 「内向的な人が秘めている力」 | Talk Video | TED.com


レビューはこちら。

『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』のレビュー スーザン・ケイン (22minさん) - ブクログ

※ブログ開設前のレビューははブクログです

誰のためのデザイン?

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)

 

 

最新の家電の使い方がよく分からなかったり、
街中で出会う水道やウォシュレットの使い方に戸惑ったり、
ドアや鍵の開け方が分からなくて困ったり。
そういう経験、誰でもあると思います。

「間違う人が悪いのではなく、デザインが良くないから起こるのである。」
本書の中心テーマはこれです。
このテーマを紐解くために人はどのようにモノを捉えるのか、という認知心理学の研究結果を元に丁寧に解説します。
デザインと名のつく仕事に携わる人は必ず一度は読むべし。

インターフェースデザインの心理学

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

 

 

こちらもデザイン関連ではわりと有名な本。
メンタルモデルの話などは「誰のためのデザイン?」と被る部分もありますし、そちらの方が詳しいです。
ただ、こちらはとにかく簡潔で読みやすい。

全10章、100個のトピックに分かれているんですが、
一つ一つのトピックは1ページから長くても5ページほどにまとめられており、
興味深い事実を次々とテンポよく読んでいくことができます。
必要なとこだけ読み返したりはしやすいのでお勉強用にはこちらの方が良いかも。

『インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針』のレビュー Susan Weinschenk (22minさん) - ブクログ

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

 

 

教育関係者は全員必読といっても良いぐらい良い本でした。
「今、目の前にいる子どもの役に、本当に立てているんだろうか?」
そして、
「上手くいく子と行かない子の違いは何なのか?うまくいかない子のためににできることは何なのか?」
教育関係者なら誰しもがぶつかっているであろう巨大な疑問。
こうした問に本気で答えようと試みるアメリカの教育理論と最先端の実践例を紹介した本。

大切なテーマの一つとして「レジリエンス」という概念が扱われます。
最近ビジネス界隈でも聞かれるようになってきましたね。
2015年勉強したいテーマの一つです。

『成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか』のレビュー ポール・タフ (22minさん) - ブクログ

 

子どもの貧困

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

 

 

まだまだ多くの人にとっては想像しにくい世界であろう「子どもの貧困」について、日本の現状を解説する本。
総選挙でも「子育て」というキーワードはちらほらと聞こえてきた気がしますが、一体誰が子育てのどんな問題をどう解決しようとしているのか、まったくもって分からないですよね。まずは日本の現実を冷静に知りましょう。
データが豊富で、丁寧に解説してくれているのでこの分野について興味をもった方が最初に手に取るにはとても良い本です。2冊目も出ていてそちらでは解決のための政策選びについて書かれているので、社会政策に興味のある方は2冊めも合わせてどうぞ。

『子どもの貧困―日本の不公平を考える』のレビュー 阿部彩 (22minさん) - ブクログ

 

コンテナ物語

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

 

 

産業の歴史といえば、画期的な「商品」「製品」ばかりに目が行きがちですが、グローバル経済の発展に革命的な影響を与えたのは「コンテナ」であり、「物流」であるという話。面白い。今まで物流なんてあんまり注目してなかったけど、考えてみればいつの時代も時代を動かしてきたのは「運ぶ力」なんですよね。
最近Amazonがドローンを使った配送や即日配送を本気で取り組み始めたり、都市圏では弁当やお花を速攻で届ける新たなサービスが立ち上がったりと、インターネットと物流の新時代に突入している時代ですので、改めて物流の歴史について勉強してみるのも良いと思います。コンテナの父マクリーンの起業物語としても面白いです。

『コンテナ物語 [電子書籍]』のレビュー マルク・レビンソン (22minさん) - ブクログ



 

生命40億年全史 上・下

 

文庫 生命40億年全史 上 (草思社文庫)

文庫 生命40億年全史 上 (草思社文庫)

 

 

文庫 生命40億年全史 下 (草思社文庫)

文庫 生命40億年全史 下 (草思社文庫)

 

 

地球の生命の歴史の話。そして生命の歴史を解き明かしてきた古生物学者たちのお話。
著者の自分語りや学者たちのエピソードが不要、という感想もみかけるんですが、僕はそれがあってこそだと思います。
小学生のころ夢中になって図書館で読んだような恐竜や、恐竜前の生物、恐竜後の生物、様々な物語。

そうした生物の物語の裏に古生物学者たちの尋常ではない苦労がつまっていることを知ることができておもしろい。
生命の歴史は彼らなしでは解明されていかないわけで、この本のようにセットで楽しむのが一番なんじゃないかと思う。

チームが機能するとはどういうことか

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

 

 

良いチームを作るために「リーダーがすべきことは何か」ということが書かれた本。
古今東西の様々な経営理論、リーダーシップ論に加えて、心理学などの最新の成果を盛り込みつつ、著者自身によるインタビューや実験などの研究結果の集大成と言える内容を、すべて「良いチームを作るためにリーダーがすべきこと」という視点でまとめ直すという取り組み。ビジネス書もちょいちょい読みますが、最近読んだどれよりも面白かったです。
 

脳には妙なクセがある 

脳には妙なクセがある (扶桑社新書)

脳には妙なクセがある (扶桑社新書)

 

 


日常的な感覚に結びつけながら脳の面白い仕組みをわかりやすく解説する名著。
いろいろなテーマで私達が日常経験する思考の仕組みを紐解いていって、最後の最後に「意思はただの錯覚」「周囲の環境やそれまでの経験による反射でしかない」というどんでん返しをしてくれます。しかもこの最後のお話がまたちょうおもしろい。
(「小説・エッセイ以外」に入れてみたけどこの本はエッセイですかね)
 

世界史 上・下

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

 

 

世界史 下 (中公文庫 マ 10-4)

世界史 下 (中公文庫 マ 10-4)

 

 

読みたてほやほや。まだレビュー記事書いてません。
歴史を勉強しようという今年のテーマの締めくくりにして世界史の勉強のスタートに立てた気になった一冊。
現在の(西欧文化が覇権を握った)グローバル世界に至るまでに、人類はどのような歴史を歩んできたのか?
文明の歴史というものをこれほど丁寧に外観できる本はないんじゃないだろうか。
丁寧に概観ってとてもむずかしいと思うのですが、それができていると感じる真摯で力強い本。読み応えあります。
正月休み中を目処にレビューします。
 

小説・エッセイ5冊

つづいて小説・エッセイから5冊。
 

一九八四年 

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 

 

やっと読めた有名作。超全体主義社会や超監視社会の姿を描き出します。
ここで描かれる究極的な姿がそれほど非現実的ではなく、ありえるかもしれない何かを想像させるのはさすがの名作といったところですし、現実社会の怖ろしいところでもあります。
なぜかレビュー書き忘れてたことに今気づきました。
 

モモ

 

小2以来20年ぶりぐらいで読み返しました。
時間の価値とか、何を大切に生活しますかとか
そういう普段向かわないけど実はすごい大事なことを考えたくなる本。
大人も子どももみんな読んだら良いですよ。
本が大好きで大好きで仕方がない!という人には「はてしない物語」もおすすめです。

『モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』のレビュー ミヒャエル・エンデ (22minさん) - ブクログ

安吾史譚

安吾史譚 (河出文庫)

安吾史譚 (河出文庫)

 

 

親父の本棚で見つけた本。
天草四郎とは、「いかにも頭の悪い熱狂的テロ少年」。
生まれながらの天皇の子として生まれ育てられた孝謙天皇がいかに純粋な人間であったか、そして彼女に寵愛された道鏡とはいかなる人物であったのか。
などなど、教科書読んでるだけでは絶対想像できない歴史人物評論。寵愛された、とか言われてもね、想像できんのですよね。そこには僕たちみたいな、いや僕たちとはぜんぜん違うのかもしれないけど、それでもやっぱり感情を持った人間がいたわけで、人間味のある愚かしさとか賢しさとかで積み重なってきているものだと思います。
やはり歴史というのは単なる事実の羅列ではなく解釈による学問でありストーリーなんだなと、その面白さを改めて感じさせてくれる一冊。
 
※この本いまリンク調べたらアマゾンではもう新品売ってませんでした。マーケットプレイスには何冊か。電子書籍KindleKoboには出てないようです。唯一Bookwalkerだけありました。
 

虚空遍歴

虚空遍歴 (上巻) (新潮文庫)

虚空遍歴 (上巻) (新潮文庫)

 

 

虚空遍歴 (下巻) (新潮文庫)

虚空遍歴 (下巻) (新潮文庫)

 

 

今年も何冊も読みました、周五郎。その中でもダントツの印象だったこの本。
周五郎の長編三部作「樅ノ木は残った」「虚空遍歴」「ながい坂」はいずれもいかに生きるかをテーマにしたものですが、この虚空遍歴はとても苛烈で切ない。自分の生き方を顧みたくなること必至。読後感ものすごく強いです。あまりに強くてレビュー記事2個書きました。
 

海と毒薬

海と毒薬 (新潮文庫)

海と毒薬 (新潮文庫)

 

 

「良心」とはなんでしょうか、ということを問いかける一冊。
リアルでもネットでも「空気を読んで」互いに良い人であることを強いられたり、身内外の人間に対して容赦のない攻撃性を見せるような悲しいニュースが増えたりと寂しい世の中です。道徳のお勉強なんかするより、ぐっと心を抉るような本で考えこんでみるのも良いと思います。

 
以上15冊でした。
 

2014年勉強しようかなと思っていたこと。どういうテーマで本を選んだか。

今年勉強しようかなと思っていたのはおおまかに以下の3つ。
 
  1. デザインの根っこについて考えよう
  2. 子どもの教育について考えよう
  3. 歴史の勉強をしよう
 
順に説明していきます。
 
まず1つ目も「デザインの根っこについて考えよう」は、本業の方でテーマに掲げたものです。
本経はwebディレクターをしていますが、ディレクターとはいっても制作会社ではなく、事業会社の事業部側(開発部門でなくて)の人間です。サービスやサイト、キャンペーンページなどのデザインに携わるようになることも増えもともと興味のある分野でもあったためデザインについての興味は付きませんでした。ただ、業務上デザインだけが求められるわけではないので、自分自身が使えるスキルを身につけようというよりは、マーケなども含めて幅広く使えるように「ユーザの動きをもっと深く想像できるようになりたい」という意識がありました。昨年末なんかはちょうどUXなんて言葉もよく聞こえてましたしね。
ということで、デザインの根っこにある考え方を知りたいなーと思いながらの読書で出会ったのが「誰のためのデザイン?」や「インターフェースデザインの心理学」です。
で、そういう本で認知心理学のことを眼にしているうちに、だんだん興味が「脳」の方に移っていきました。
 
2つ目の「子ども教育について考えよう」については、大学時代からずっと取り組んでいるテーマ。現在もNPOで関わっています。とはいっても僕が深く関わって知っているのは児童養護施設というものすごく狭いテーマです。子ども関連の政策についても、大学時代は政治学をやっていたこともあり政局にもついていっていたのですが、最近だいぶ感度が薄れていました。貧困やひとり親家庭など新たに注目を集める(ほどに先鋭化した)問題も出てきているし、施設以外についてもしっかりトピックについていって、できることを考えたいというような流れで何冊か勉強しました。こちらのテーマについては最近NPOの方で、小学校の現場などのお話を聞く機会もあり本を読む以上に勉強する機会もあったのですが、まだまだ勉強不足も痛感するのでどんどん読んでいこうと思います。来年も引き続き勉強します。
 
そして3つ目が「歴史の勉強をしよう」。これはまぁそのまんまです。歴史が好きなのです。ただ、好きな割に勉強不足であることは痛感していました。特に世界史。日本史は高校時代ものすごく勉強したし、小説やその他の本もけっこう読んできましたが、世界史は全然でした。7、8年前に一部の高校での必修科目世界史の「未履修問題」というのが話題になったのを覚えている方はいらっしゃるでしょうかね。私の高校はばっちり該当してました。当時すでに大学に行ってたので、補修などを受けるわけでもなく、あぁなんだ世界史勉強しそこねて卒業してたのか、そのうち山川の教科書でも買って読んでみるかな―などと思っていました。全体像を知らないと世界史分野ではなかなか小説などにも手を伸ばしにくく、一度世界史を概観したい!という思いをずっと抱えていました。ということでやっと読みましたマクニールの世界史。
それ以外に今年は、塩の話やら魚の話やら民俗学や文化の話も少しやりました。来年はせっかくなので、世界の歴史をもう少し勉強したい。イスラム世界の歴史も知りたいし、インドもいい。あとは宗教のことも知りたいし、シルクロードもいいなぁ。知りたいこともりもりです。
 
ということで、終わりです。
選んで紹介するだけだし、すぐ書き終わるかなと思っていたのですが、わりと時間かかりますねこれ。
時間はかかったけど改めて一年で読んだ本を振り返るというのもなかなか楽しかったです。
来年もいっぱい読もう。
 
ではまた。