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【サイボウズLive終了】機能・使い方別に考える乗り換えサービス14選

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【サイボウズLive終了】機能・使い方別に考える乗り換えサービス14選

こんにちは。NPOコンサルタントの堤大介( @22minda )です。本日の記事では「【サイボウズLive終了】機能・使い方別に考える乗り換えサービス14選」と題し、先日サービス終了が発表されたサイボウズLiveについてNPOの利用状況別に乗り換えサービスを紹介いたします。

 

 

サイボウズLive終了

サイボウズLiveのサービス終了というニュースが発表されました。

live.cybozu.co.jp

サイボウズLiveは無料で高機能であり、しかもパソコンが得意でない方にも使いやすい配慮がされていたためNPOでも利用している団体の多いサービスです。サービス終了は2019年4月15日とまだ1年以上先ではありますが、乗り換え先のサービスを検討する必要がありますね。

ただ、どこへ乗り換えるかというのはなかなか難しい問題です。なぜならサイボウズLiveはとにかく機能が多いから

提供されているほとんどの機能を使っていたのであれば同等の機能がそろっていることを条件に探せば良いのである意味簡単ですが、団体や活動の状況によって必ずしもすべての機能を同じ重要度で使っているわけではないと思います。そこで本記事ではサイボウズLiveの主要な機能別に、乗り換え先の候補となるツールを考えていきます

関連するWebサービスの数は探せばきりがないほどたくさんあるのですが、今回は非営利団体の活動現場で利用することを想定してツールを選定しています。特にあまりITやWebのリテラシーに自信がなく、選び方が難しいと思っている団体の方に参考にしていただければと思っています。

 

サイボウズLiveの主な機能とは

f:id:minutes22:20180630163009p:plain

まずはサイボウズLiveの主な機能とはどんなものだったのかから見ていきましょう。非常に多機能なツールなのですが、ここでは組織内のコミュニケーションや業務推進の上で主に使われているであろう5つの機能について取り上げます。

1. グループチャット機能

まずはチャット機能。複数人、あるいは1対1のグループを作り、特定のメンバーでコミュニケーションを取ることのできる機能です。グループの数は無料でいくつでも作ることができるため、部署やチーム毎のグループの他、臨時で任意のメンバーでのやりとりをするためにも気軽に使うことができます。スマートフォン対応していることは当然として、フィーチャーフォン(ガラケー)からも使えるという点が特徴ですね。

2. スケジュール管理・イベント機能

組織での情報共有ソフトであるグループウェアとしては欠かせないのがスケジュール管理機能。組織全体のスケジュールも個人のスケジュールも管理、共有することができ、Googleカレンダーとの同期にも対応しています。また、予定の当日にリマインドメールを送るといったことも可能です。

3. Todoリスト(タスク管理)機能

グループ内でやりとりをしていると業務を前に進めるための各種のタスクが発生します。サイボウズLIVEではグループメンバーのTodoを作成し、いつまでに誰が何をやるのかといったことを可視化することができます。グループメンバー全員にいま誰が何を抱えているのかが一覧されるので忙しい時のサポートなどをしやすくすることができます。

4. 共有フォルダ(ファイル管理)機能

メンバーとやりとりをしていると文字情報だけでなく資料や画像などのファイルを共有したい場面もしばしば出てきますね。そんなときも別のツールを使う必要はなく、サイボウズLIVE上にファイルをアップロードすることができます。容量は1グループにつき1GBまで。3世代までですがバージョン管理機能もあるため、間違えて上書きしてしまったというときにも元のファイルに簡単に戻すことができます。

5. 掲示板機能

グループ内に掲示板を作成することができます。今風のWebサービスの機能でいえば「ノート作成機能」が近いでしょうか。どんどんと流れていってしまうチャット情報とは別に、いつでも参照できるストック情報を記載するのに向いています。非営利組織では団体内のマニュアル作成等に使用している場合が多いでしょうか。

グループチャット機能を重視して選ぶ

ここからは紹介した5つの機能それぞれを中心に考えたときに、どんなサービスが乗り換え先になりうるかを見ていきます。

まず最初は団体内のコミュニケーションを円滑にするチャット機能を中心に考える場合です。3つのサービスを紹介します。

 ①チャットワーク

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チャットワークはその名の通り組織内でチャットができるサービスです。とはいえチャットをベースに様々な機能がつけられています。チャットワークはNPOプランを提供していますので、非営利組織(非営利型の一般社団法人を含みます)であれば企業向けの有料プランを無料で使うことができます。

 

チャット機能  : 複数人、あるいは1対1のチャットを無制限に作成することができます。検索機能も充実しています。
タスク管理機能 : チャット上のやりとりをタスクとして登録することができ、担当者や期限等の設定も可能です。
ファイル共有機能: チャット上にファイルをアップロードすることが可能です。ただしフォルダ形式ではなくあくまでチャット上にアップロードする形です。ファイル名での検索は可能。
ビデオ通話機能 : チャットのメンバーと複数人でのビデオ通話機能があり、気軽にオンライン会議もできます。

 

また、サイボウズLIVEのサービス終了のニュースを受けてデータのインポート機能を提供することもすでに発表しています。

news-ja.chatwork.com

 

国産のサービスであるため英語が苦手でも問題なく使え、スマートフォンからも使いやすくデザインされていることもポイントです。

サイボウズLiveとの違いでいうとカレンダー形式でスケジュールを管理するという機能はありません。スケジュールについては別のサービスを利用する、あるいはスケジュール管理についてはタスクベースで期限が管理されていれば良いという場合にはチャットワークは十分に候補になるのではないかと思います。

go.chatwork.com

 

②Slack(スラック)

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ビジネスチャットサービスとしてはチャットワークに並んで人気のサービスがSlack。NPOプランはありませんが基本機能は無料で使うことができます。※NPOプランが提供されていることを情報提供いただきました。詳細は下記の通りです。

チャット機能   : チャットワーク同様チャットの使いやすさはばっちりです。絵文字をカスタマイズできるなどビジネスチャットでありながらエンタメ性もあります。
ファイル共有機能 : チャット上にファイルをアップロードする形式であることはチャットワークと同様ですが、検索のほかファイルに対してコメントができたり、お気に入り登録することができる機能がありファイル管理という点ではチャットワークより使い勝手が良いかもしれません。

 

チャットワークに比べるとSlack自体が持っている機能はシンプルですが、Slackの特徴は外部サービスとの連携の自由度が高いという点です。タスク管理ツールやスケジュール管理などの他のサービスを使いチャット上のやりとりから自動連携させる、といったことが可能です。ただし、そうした使い方をするためにはどんなサービスを組み合わせるか自分たちで最適なものを考え、自分たちで設定するということが必要です。また、チャット上で利用できるコマンド機能なども充実している点も多くの人に好まれている点ですが、自由度の高さを使いこなせる程エンジニア力が高いか、あるいはSNS等の利用に慣れているチーム向けだと思います。 

slack.com

※追記:NPOプランについて※

SlackにはNPOプランがないと記載しておりましたが、誤りでした。250名以下の団体であればスタンダードプランが無料、251名以上の場合も85%割引にて利用できるようです。NPOプランの利用には後述するTechsoup(Microsoft製品なども登録されているNPO向けのソフトウェア提供プログラム)が条件となります。詳細は以下からご確認ください。

slack.com

③Facebook

Facebookも代替サービスとして考えられます。

 

チャット機能   : FacebookグループとFacebook Messengerを併用すれば団体全体のコミュニケーションと、任意のメンバーでのやりとりをすることが可能です。
イベント機能   : カレンダー形式のスケジュール共有機能はありませんが、Facebookグループ内にイベントを作成することができます。イベントページの使い勝手は他サービスよりも優れている点も多いですね。
ファイル共有機能 : グループでもメッセージでもファイルは自由にアップロードすることが可能です。

 

サイボウズLiveとの機能比較で考えるとタスク管理機能はFacebookにはありません。メリットとしては普段から利用しているメンバーも多いツールだと思いますので新たなツールの導入というハードルは超えやすいサービスかもしれないですね。また、Facebookは先日会社としてのミッションを変更し、今後はより「コミュニティ」を重視していくという方針も発表していますので、組織運営や組織のコミュニケーションを円滑にする上で今後より使いやすくなっていく可能性もあると思います。(実際にFacebookグループに関する機能は今年何度かアップデートされています) 

www.facebook.com

 

以上、チャット機能をベースに3つご紹介しました。いずれのサービスもチャットをベースに様々な機能がついているので乗り換え先としてはイメージしやすいかと思います。ちなみに、有料プランしかなかったため紹介しませんでしたが、LINE WORKSというLINE社のサービスも機能としては十分で、利用率も非常に高いLINEをベースに使えるため、PCよりもスマートフォンを使うメンバーの多いチームには良さそうだと感じました。今後NPOプランを期待したいところですね。

スケジュール管理・イベント機能を重視して選ぶ

続いてスケジュール管理機能を中心として考える場合に検討できるサービスとして1つご紹介します。

④TimeTree(タイムツリー)

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TimeTreeはいわゆるカレンダーアプリの一つです。

 

スケジュール共有機能 : TimeTreeは数あるカレンダーアプリの中でも「スケジュールの共有のしやすさ」に重きが置かれて設計されたサービスです。個人のスケジュールと、団体のスケジュールなどを分けて管理しやすいですし、Googleカレンダーを読み込んだり予定をコピーするなどスケジュール共有に関わる様々な操作が行いやすいです。
コメント機能     : チャット機能はありませんが、それぞれの予定に対してコメントや画像をつけることができますので、多くのコミュニケーションが予定に紐付いてなされるという場合には十分かもしれません
タスク機能      : 詳細が決まっていない予定をメモするためのKeep(キープ)という機能はありますが、タスク管理の機能ではないため担当者や期限などを設定することはできません。

 

TimeTreeは元々スマートフォンアプリとしてスタートしたサービスなので、PCよりもスマートフォンから利用するメンバーが多かったり、イベントなどのスケジュールを中心にコミュニケーションをしたい団体にとっては良いサービスだと思います。細かな使い勝手に配慮されたデザインや開発姿勢に個人的にはとても好感を持っていますが、元々がカレンダーアプリなので、画像以外のファイルを共有する機能がなかったり、PC版の機能がまだ開発途上という面もあります。

 

サイボウズLive終了のニュースが出た後すぐに、サイボウズLiveのどの機能が対応しているのか公式に情報を出していました。とても分かりやすく整理されていますので、ぜひご覧ください。 

TimeTree — サイボウズLIVEからの移行をご検討のお客様へ 

timetreeapp.com

タスク管理機能を重視して選ぶ

タスク管理機能を重視する場合にオススメのサービスからも1つご紹介。

⑤Trello(トレロ)

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Trelloは無料で高機能なタスク管理、プロジェクト管理ツールです。

 

タスク管理機能   :  担当者や期限を設定できることは当然として、タスクの進行状況を管理(進行中、完了など)したり、タスクの中にサブタスクを設定するなど様々な使い方ができます。
コメント機能    :  それぞれのタスクにコメントを追加することができます。
ファイル管理機能  :  それぞれのタスクにはファイルを添付することもできます。

 

ファイルをフォルダで管理したり、一覧で見たいという場合には他のサービスとも組み合わせる必要がありますが、非常に高機能であり自由度も高いツールなので、タスクを中心に団体内のコミュニケーションを図りたい場合には適したツールであるといえます。

タスク管理やプロジェクト管理ツールも探すとたくさん出てきます。Trello程高機能ではなくシンプルにタスクを管理するツールならWunderlistというサービスもオススメですが、その場合団体で使うのであればチャットワークのタスク管理機能を利用してコミュニケーションも同じサービス内でまとめてしまえる方が便利かと思います。

 

trello.com

ファイル管理機能を重視して選ぶ

組織として導入するツールをファイル共有サービスだけで済ませるというのは難しいかもしれません。他のサービスとの組み合わせで考えることになるかもしれませんが、2サービスをご紹介。「クラウド」という概念をここで紹介するファイル共有サービスで知ったという方も少なくないのではないでしょうか。どちらも非常に有名ですでに利用している団体も多いかと思います。 

⑥Dropbox

ファイル共有といえばDropboxというぐらいに有名なサービスですね。Windowsのフォルダ管理と同じような感覚で利用することができるため、ストレス少なく導入できるのが強みですね。団体外の方とのファイル共有もしやすいです。

www.dropbox.com

⑦Google Drive

Googleのファイル共有サービス。Dropbox同様、オンラインでもオフラインでも使うことができます。Drive上にGoogleスプレッドシートのファイルを作成し、オンラインで共同編集しながら打ち合わせをするということもしやすいなど単純な共有だけでない使い勝手の良さがあります。詳細は後述しますが、Googleの他のサービスと合わせてGoogle関連のサービスで統一するという使い方も可能です。

www.google.com

掲示板機能を重視して選ぶ

ファイル管理機能と同じく、掲示板機能だけを中心にツールを導入するということはあまりないかとは思いますが、サイボウズLiveの掲示板機能を使っていた場合には参考にしてみてください。

⑧Microsoft Office製品

オンラインツールではありませんが、一番馴染みがあり用途に合わせた使い方がしやすいサービスだと思います。組織の業務効率化というのは無理に最新のツールを導入することではありません。また、特に掲示板に記載していた内容が団体内のマニュアルなどの場合、誰でも編集しやすいツールであった方が団体全体のマニュアル化を進める上ではメンバーの参加を促しやすいといえます。 

www.microsoft.com

非営利組織向けのITツール・Webサービスの提供プログラムであるTechsoup(テックスープ)にも提供されているため格安で利用することができます。

 

ITの力をNPOの力に! ~ソフトウェア/クラウドサービス/パソコン・タブレット/お役立ちツールを特別価格で活用しませんか | TechSoup Japan

⑨Googleサイト

Googleのツールの場合、ファイル管理機能のところで紹介したGoogle Driveを使うとOffice製品に似た使い勝手に加えてオンラインでの共有のしやすさや閲覧や編集権限の設定のしやすさなどのメリットがありますので、共通の掲示板機能として運用することも可能です。また、同じGoogleのサービスではGoogleサイトという簡易なHP作成サービスもあります。非常に簡単に編集ができるので、例えば団体内のマニュアル等でもページ数や項目数が多くなるような場合にはGoogleサイトを利用して作成するとすっきりとまとめたものを作成することができます。

https://sites.google.com/new?hl=ja

「やっぱり全部の機能を使いたい」方は

ここまでサイボウズLiveの主要な機能別に代替となるサービスを紹介してきましたが、特定の機能だけでなく十分に機能のそろったものを導入したいという団体に向けて、最後にグループウェアサービスもいくつかご紹介します。

⑩Google Apps for Nonprofits

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Google Apps(現在はG Suiteに名称変更)は非営利団体向けに無償提供されており、Gmail、Google Drive、Googleカレンダー、GoogleフォームといったGoogleの一連のサービスをまとめて使うことができます。これまでに特定機能の紹介のところでも個別にいくつかのサービスを紹介してきた通り一つ一つのサービスのレベルが高いためGoogleの関連サービスを使いこなすだけでも団体を運営する上でのツール面での多くのニーズを満たすことができます。ただし、コミュニケーションに関してはメールが中心なのでチャットサービスに比べると気軽さはやや劣るといえます。(Gmailにもチャット機能はありますが、先に紹介したチャットサービスの使い勝手には負けます)また、タスク管理等の機能は独立した機能はないためGoogleカレンダーの使い方を工夫するか、他のタスク管理ツールを導入するかを選択することになるかと思います。 

www.google.co.jp

⑪Office365

Microsoftが提供するグループウェアです。このツールを使ってできることはGoogle Appsと似ています。Office製品をそのまま使うことができるため、「Googleに移したときにPowerPointの資料が崩れてしまう…」といった問題は解決されます。Google Apps同様NPO向けプランが用意されています。デメリットとなる点もGoogle Appsと同じく、タスク管理等の機能は他のタスク管理・プロジェクト管理ツールには及ばないという点です。 

 

www.office.com

⑫Stock(ストック)

もう一つご紹介するのがStockというサービス。これからリリースされる新しいサービスで、現在トライアル期間中です。冬までのトライアル期間終了後は有料となるトライアル期間終了(年明け以降正式プランリリースの予定とのことです)後は無料プラン、有料プランそれぞれ提供されていくようです。サイボウズLiveからのデータインポート機能を提供することを発表しているため、気になる方はぜひ今後の情報をチェックしてみてください。 

www.stock-app.info

サイボウズの有料サービスへの乗り換え

サイボウズ社が提供している有償サービスももちろん代替サービスとして検討できます。
ここではサイボウズの有償ツールのうち、2つを紹介いたします。

⑬サイボウズOffice

まずはサイボウズOffice。サイボウズLiveに近い使い勝手のサービスを探している場合はサイボウズOfficeが一番適しているかと思います。特徴的なのは「データベース」を簡単に作成できるため、Excelで管理していた個人情報などをツール上で管理できるようになることや、「ワークフロー」作成機能を使うことで団体内の確認や承認といった作業をオンラインのやりとりでルール化することができるようになることです。

office.cybozu.co.jp

⑭Kintone(キントーン)

KintoneはサイボウズOfficeよりもさらに自由度の高いサービスで、「自団体の業務に合わせたアプリを作成することができる」という点が特徴です。

kintone.cybozu.co.jp

 

サイボウズ社のNPOプラン

 

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サイボウズは有償ツールに対してこれまでも「50ユーザまで年額1万円」というNPOプランを提供しているため乗り換え先として真っ先に検討している方も多いかと思いますが、どのサービスもサイボウズLiveとは違った特徴があるため自分たちはどんな機能をどのように使いたいかまずは考えていただきたいと思ったのが、本記事を作成した元々のきっかけでした。

 

サイボウズのNPOプランについては以下からご確認ください。

npo.cybozu.co.jp

 

 

以上、いかがでしたでしょうか。

厳選して紹介しましたが、それでもかなりの数のサービスの紹介となりました。

 

団体にとって慣れていたツールを変更したり、新しいツールを導入するというのはツールを選ぶ担当者にとっても、新しいツールの使い方を必死に覚えなければならない側のメンバーにとっても大変な作業です。本記事がツール選定の一助になれば幸いです。