朝ぼらけタイガー

読んだ本のレビューが中心です。ランニングなどその他趣味の話も。NPOや自治体など「公益組織」向けのコンサルティングが本業です。元はwebディレクター。

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レビュー:『さよならは小さい声で』"ていねいに暮らす"とは

ひさしぶりの更新。新幹線に乗る機会があり、時間が空いたので書いてみた。

読み終わってて書きたい本はかなり溜まっているんだけど、 なかなかできていない。

そんな、慌ただしい日々を落ち着けたいときの一冊。

 

さよならは小さい声で (PHP文庫)

さよならは小さい声で (PHP文庫)

 

 

松浦弥太郎さん

「上品な暮らし」を追求する雑誌『暮らしの手帖』を編集長として引っ張ってきた松浦弥太郎さんのエッセイ。

 

松浦さんの名前は前から知っていたんだけど、クックパッドに参画されてからがぜん興味を持っていました


と言いつつ、松浦さんの本は長くほしい物リストに突っ込んだままになっていたのですが、先日帰り道にふと立ち寄った本屋でこの本を見かけました。ほしい物リストに入れていたのとは別の本だったのですが、いますぐ読みたいと思ってしまいそのまま購入。

 

200ページ弱の文庫本です。文字も大きいので1時間もかからずに読めます
私は先日まで勤めていた会社までの行き帰りで読みました。


「上品な暮らし」とか「ていねいな暮らし」とかを標榜する松浦さんの本をそんな慌ただしい読み方していいのかな、とも思うのですが、きっと良いのです。


むしろそういう忙しい毎日の中で読むからこそハッと気づくことも多いのではないかと。

 

人をよく見る

通して読んでみての一番の感想は松浦さんという人は「よく人を見る人だなぁ」ということ。

 

この人の「ていねいな暮らし」というのは、自分の周りにいる人たちの言葉とか、所作とか、その他さまざまなモノからの影響を多分に受けている。

 

影響を受けている、というと受動的な言い方だけど、たぶんそれはとても主体的な姿勢。
瞬間瞬間をていねいに過ごすからこそ相手の言動が目に入り、自分を省みることにもつながるんだろうと思う。それに、その影響を受ける相手が言葉とか、所作だけでなく「その他さまざまなモノ」というのがまた、ていねいさの所以というか何たるかというか、というところなんじゃないかと思う。


つかみどころがないということではなくて、余裕がある、ということ。

 

人間関係にルールを
挨拶をする、
よく褒める、
手紙を書く、
感想を伝える、などなど。


松浦さんは人間関係についてのルールをたくさん持っている。これとても良いなと思った。


人間関係を大切にする、と言うのは簡単だけど、ただそう言うだけじゃとても曖昧でたぶんまったく大切にできていない。


自分が相手をどう大切にしたいのか、どういう関係を築いていたいのかを意識するというのは気持ちの良いことだろう。

 

そして人間関係の話からお金の話が出てくるのも面白かった。

 

まず、お金の使い方について投資(将来の利益のための資金投下)、消費(生活に必要なものを買うこと)、浪費(物欲を満たすためだけの行為)の違いを見極めましょう、と。
ここまではよくある話。その見極め方と、捉え方が松浦流。


見極めのコツはお金を使うときに「こんな使い方でお金は喜ぶだろうか」と自問すること、だそう。

 

なにごともそうだけれども、喜んでもらえれば、必ず感謝をされる。悲しませれば、その悲しみは必ず自分に返ってくるだろう。
お金の使い方は人間関係に似ているのである。

 

素敵な言葉

心の歳を取るということは、自分の瞳の輝きや色をさらにきれいに磨くこと。身体の衰えを止めることはできないけれども、心の衰えは止めることはできる。どんなに歳を取っても心というものは磨くことができて、それは自分の瞳に現れる。
年齢を重ねる、または心の歳を取るということは、一歳、そして一歳と、美しくなるということ。人は美しくなるために生きている。人は瞳を磨くために生きていると思った。

 

今年で30歳になる。転職もする。プライベートでも大きな変化があった。


いろいろあって、自分の歳やこれからのことを考える機会が多い最近ですが、こういう素敵な言葉に出会うと歳を重ねていくことが楽しみになる。

 

この本を手にしたのは本当に偶然だったけど、自分がほしい言葉に出会うことができた。


きっと、人によって、瞬間によって見つける言葉も違うんだろうと思うけど、こういう素敵な出会いをしっかり受け止めて楽しんでいくことが「ていねいな暮らし」なんだろうなと思う。心がけていきたいものです。

 

ということでとても楽しく読めました。

 

さよならは小さい声で (PHP文庫)

さよならは小さい声で (PHP文庫)

 

 

もともとほしい物リストに入れていた本もますます気になるので、読んでみたい。

 

100の基本 松浦弥太郎のベーシックノート

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